イギリスと日本での5つの働き方の違い
会社の雰囲気やカルチャーは会社によって異なりますが、今回はイギリスと日本で主に違う5つの働き方についてお話をしたいと思います。
この記事は海外にいて日本で働きたいと思っている方や、日本にいて将来イギリスで仕事をしていきたいと考えている方の参考になったら幸いです。
意思決定について
目まぐるしく変化があるビジネスの世界では意思決定のスピードは非常に大切です。日本企業は新しい変化の意思決定に時間がかかる傾向があります。日本人の勤勉でまじめであり、仕事を丁寧にやり遂げるというポジティブな面もありますが、安定志向や何かがあった時に責任を取りたくないといった意識の表れで意思決定が非常に遅くなる場合もあります。何度も会議を繰り返し、複数の上司に許可を取らなくてはならず、新しい変化を加えるのに時間がかかると考えられています。
それに比べてイギリスの企業では良いと思ったことは、どんどん変化を加え新しい事にチャレンジするスピードが速いと思います。急な事態にも柔軟に対応できる姿勢はビジネスの世界では有利に働くことが多いでしょう。
仕事のスタイル
コロナ禍でテレワークが増え働くスタイルが変わりましたが、日本の会社はチームで働くことを重視し、メンバーで助け合いながら仕事をする場合が多いです。日本人のチームプレーによる仕事のスタイルは、メンバーが平均してある程度まで仕事ができるようになる点がメリットでもあります。日本では入社時には簡単な仕事から始めて、徐々にスキルアップしていくという「企業が人を育てていく」といった文化もあります。そして自分の仕事範囲が明確ではない場合もあり、いろいろな仕事にチャレンジできる機会がありますが、逆を言うと専門性が育ちにくいといった考えもあるでしょう。
それに対してイギリスでは個人プレーで仕事をし契約上にも仕事の範囲が明確であり、その範囲を超えて仕事をしません。企業が人を育てるというよりも、採用後すぐに即戦力を求めています。そしてイギリス人は仕事上のルールをきちんと重視しています。外国人はは少し時間にルーズであるというイメージがありますが、ビジネス上の時間や期日はシビアな程に厳守していますし、お客様からのお願いも無理なものは無理だときちんと断る傾向があります。
残業や休暇
日本企業は同僚が仕事をしていると帰りずらい雰囲気がありサービス残業も多いです。夜遅くの会議や、営業職の場合ですと数字を達成していないと帰りずらい雰囲気があります。日本人は勤勉でまじめな国民性ですので、残業をしている姿勢は熱心に仕事をしていると伝わる場合が多いでしょう。そして同僚に迷惑がかかるのではないかと思う方も多く、長期休暇をとる割合も低くなっています。
イギリスでは自分の仕事範囲が明確なので、自分の仕事が終わったら帰るというスタンスで残業は少ないです。オンオフがハッキリとしていて、ワークライフバランスを重視しており、長期休暇もしっかりと取ります。基本的な就業時間は1日8時間週40時間、定時すぎ5~10分後にはほとんどの社員が帰宅しています。その為就業中の時間の使い方や集中力は関心するほどでした。家族との時間をしっかりと確保するスタイルは日本人ももっと見習っていきたいです。フレックス制度を使っている社員も多く、小さい子供をもつ女性社員は16時で退社していたりと、自分の仕事をしていれば誰も文句を言いません。
雇用についての考え方
日本では近年考え方は変わってきましたが、昔は定年まで一つの会社で働くといった考えがありました。日本の転職時には、職務経歴書上で前職の勤続期間が短いとネガティブに取られることも多く、そして安定している正社員に就きたいと考えている方が多いです。日本企業は海外よりも急な解雇は難しく、その分雇用がしっかりと守られていることは労働者にとって良いことです。採用されたポストで上手く結果が出せない場合は、違う部署に移れたりと企業が柔軟に対応してくれる日本企業は非常に労働者の雇用が守られていると言えるでしょう。
イギリスではキャリアアップのために転職をしていて、転職は非常にポジティブに捉えられています。自分の理想の会社で働く為に起業する人も多くいます。そして仕事のポストが契約上きちんと決まっていて成果が出せない人は、解雇されるといシビアな職場環境だと思います。
日本では正社員が安定していて最も好まれる雇用形態ですが、イギリスでは契約社員は非常に専門スキルが高く給料も高いといったイメージが持たれています。イギリスでは契約社員で高い給料を数年もらい、その後長期休暇を取る働き方をする人もいます。
クライアント
日本だとお客様第一主義で、頼まれた仕事をなんとしてでも達成するという意識がありますが、海外だと考え方が大きく違うようです。日本での考え方はお客様は神様であり、同僚にも願いし残業してでも頼まれた仕事を達成しようとします。
イギリスではお客様は神様ではなくビジネス上対等な相手であり、無理なことははっきりと断るべきだという認識があります。さらに同僚達はそれぞれ違う仕事があり自分の仕事を頼むことは、他の仕事の妨げになる為大変迷惑だという考え方があります。